かつて英国の窓には「窓税」という税金がかけられていました。
それがけっこうな額だったので、なるべく窓の数をへらすために、塗りつぶされた窓も多かったのです。
いまでも、古い家には、塗りつぶされた窓が残っているものがあります。
そんなわけで、人々は穴ぐらのような薄暗い家で暮していたのですが、例のガラスと鉄骨でできた巨大温室、クリスタルパレスができた1851年に窓税は廃止されました。
ガラスの値段も、1845年に板ガラスへの物品税が廃止されて半額以下になっていたので、人々は家にどんどん窓をつけるようになりました。
窓が増えて部屋が明るくなると、今度は窓にレースをぶらさげて、日よけにすることがはやりだしました。
窓が増えた事で、室内で読書をすることがより快適になりました。
また、画家がガラス張りのアトリエを持つことができるようになったのも、窓税廃止のおかげです。