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<劇場 theater>

 上流の人々にとっては、芝居を見るよりも、ゴシップを交換したり、最新ファッションを仕入れたり、美人を探したりする方がメインでした。
 この、おえらいさんたちがつれてきた、おつきの召し使いや、下々の観客は、安い天井桟敷で芝居を見物したのですが、彼らはほとんどフーリガンでした。
 ひいきの役者には、大声で声援を送り、大拍手をするのですが、気に入らないと、ものすごいヤジを飛ばし、足を踏みならして、大騒ぎです。
 その後、キャットコールという、ホイッスルのような、かん高い音の笛をもちこみ、ぴーぴー鳴らすことが大流行。
 しかし、はやりというものはすたれるもので、この笛もいずれあまり使われなくなりました。
 かわりにもちいられたのはオレンジです。これを天井桟敷から舞台に向かって投げつける。さらに、りんご、じゃがいももぶん投げられました。役者も命がけです。
 花火を投げたバカもいたそうな。
 こんなところに子供が行ったら、泣きますね。

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