19世紀、アヘンは睡眠薬、鎮静剤としてごく一般的に使われる薬でした。
このアヘンをアルコール水にとかし、香辛料をくわえたのが、アヘンチンキです。
街の薬屋や食料雑貨店で、20〜25滴が1ペニー程度で買える、万能常備薬でした。
オロナインとか、赤チンとか、正露丸とか、まあ、そんな感覚ですね。
店主はおつかいに来た子供にも、簡単に売ってくれました。このアヘンチンキはごく気軽に使用され、常用されました。
飲み物に何滴か落として、薄めて飲んだようです。
むずかる赤ん坊に飲ませて眠らせることも、日常でした。
もちろん、中毒したり死亡する犠牲者も多く出ました。
ですが、この時代、アヘン中毒はごくごく普通のことだったのです。