日本でも、「銀座」「浅草」「渋谷」と、イメージのはっきりした地名があります。
このベスナルグリーンは、ビクトリア時代、ロンドンの最貧地区でした。
要するに、スラム街です。
こんなふうになってしまう200年前は、裕福な人々に好まれる風光明美な土地でしたが、
ビクトリア時代には、人口のほぼ半分が貧民、という、ロンドンで最悪の貧乏率を誇りました。
路地に家や小さな工場(こうば)がびっしりと立ち並び、労働者が多数住んでいました。
環境はたいへんに悪く、池に生活排水から、屎尿から、猫犬の死体から、なにからなにまで
ぶちこんでしまうという、考えただけで胸が悪くなるような場所でした。
20世紀にはいって、スラム一掃計画により、この地区は改善されました。