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<carriage 馬車>

 馬車は、現代の自動車と同じで、ステータスシンボルでもありました。
 馬車を持つ、つまりそれは、御者や馬丁を雇うだけの経済力があるということで、それは上流階級、上層中流下級(アッパーミドル)の証明だったのです。
 大ざっぱに言うと、馬車はキャリッジとワゴンに別れます。
 キャリッジはおしゃれな、人間を運ぶ馬車で、ワゴンはいわゆる荷馬車です。
 もちろん、上流階級が持ちたがったキャリッジには、フェイトン、バルーシュ、ランドー、ヴィクトリア、カーリクル、ブルームなど、さまざまな種類がありました。
 人気のタイプは屋根なしタイプが多かったのですが、なんといっても、ステータスシンボルですから、乗っている人は顔をはっきり見せて、自慢したかったのでしょう。
 馬車にも序列があって、紋章つきのキャリッジが一番、格上とみなされました。
 さまざまな種類のキャリッジ、そして乗り合い馬車と続き、さらに格が下なのはトラップなどのごく小さな軽馬車です。これは原チャリくらいですかね。
 その更に下なのが、カートやワゴンなどの荷馬車になります。これはちゃりんこ程度でしょうかね〜。

 箱型馬車のブルーム。これは高級感が漂うということで、いちばん格上でした。

人気の馬車フェイトン。車高が高いのでハイフライヤーとも呼ばれました。
でも乗るのがたいへんだったので、だんだん人気にかげりが。

女性に人気のヴィクトリア。

ロンドンのゴンドラと呼ばれたハンサムキャブ。
縦長で、御者はうしろの台にのります。

ロンドンの交通。
いろいろな種類の馬車がひしめいていますね。

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