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 お待ちかね! 老人探偵団騒動記、シリーズ第三弾をお届けします。
 高級老人ホーム<海の上のカムデン>に、なんと連続殺人鬼が徘徊し始めました。 被害にあったのは出入りの業者や庭師でしたが、いつなんどき入居者も毒牙にかかるかわからない。
 老人達は殺人鬼の影におびえ、どケチ支配人のトゥーガスンは経営への影響におびえ、一刻も早く犯人が捕まりますようにと願います。ところが警察は犯人を捕まえるどころか、手がかりすらつかむことができません。
 事件を担当したのは、いつも来てくれる(ご婦人がたに大人気の)ハンサムなマーティネス警部補ーーではなく、とても美男子とは言いがたいうえにやたら事務的なベンソン部長刑事です。作中では、ミスター・ホイップルというCMのキャラクターにたとえられていますが、日本の読者向けに言い直せば、<カーネルサンダースと食い倒れ人形をたして二で割って髪をさみしくした情けないメガネくん>という感じでしょうかね。
 こうなったら実績をあげて、生意気なベンソン部長刑事に探偵としての実力を認めさせよう! そう考えたアンジェラとキャレドニアは恒例の行動に出ましたーー不法侵入、証拠さわりまくり、その他もろもろ。
 ベンソン部長刑事は、このふたりの取り扱いに関しては素人なので、どうしていいかわからない。マーティネス警部補にアドバイスを受けつつ、なんとかふたりをおさえこもうとするのですが、どうにも止まってくれません。
 かくして名探偵コンビは暴れまくり、あいかわらず警察の捜査はさっぱり成果があがらない、という日々が続くなか、ついに入居者に犠牲者が出ます。
 こんな状態で、はたしてベンソン部長刑事は事件を解決できるのか? マーティネス警部補は一肌脱いでくれるのか? アンジェラとキャレドニアは三たび名探偵として活躍するのか? グローガン翁はあいかわらず飲んだくれてるのか? あとは本編を読んでのお楽しみ!
 シリーズ三作めではありますが、この作品から読んでも十分に愉しめます。何を隠そう、訳者が最初に手にとった原書はこの三作めでした。「なんておもしろいシリーズだろう!」と思ったので、そのまま一作めにも手を伸ばし、あとはあれよあれよと最新作まで一気読み・・だったのです。
 本書がシリーズファンの皆様にも、新たな読者の皆様にも愛されることを願いつつーーようこそ、<海の上のカムデン>へ!

おまけのホームページあとがき。

 しばらく担当さんから連絡がなかったので、まったくたるみきっていたわたしのもとに、メールがきました。
 バレンタインのチョコごちそうさまでした。あとがきをお願いします。締めきりは10日ほどで。
 はあ?
 あんたは、枕詞(まくらことば)とか係り結びとか知らんのか。
 でもまあ、ホームページの紹介ページに使えるからいいや、とさっさと書いて、すんなりokも出たので、今回はあとがきに関して、たいして喋ることはないのです。
 が。
 このあとがきを読んだ人が、「中村さんのホームページが、訳者あとがきのページに引越してきたみたいだ」と言ったそうな。
 ううむ。ばれたか。

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