HP版 訳者あとがき

 今回の舞台は本屋さんです。一作目では高級ブティックでさんざん苦労するヘレンの働きっぷりで、「うーむ、南フロリダのセレブなお店やお客ってこんな感じなのか」と学びましたが、今度はもっと庶民的なお店やお客の姿をのぞくことができます。

 実は、訳している時に、どういうことだろう、と意味がわからなかった部分があったのですが、ネットであちこちのぞいているうちに、偶然、こんな記事を見かけて、ようやく腑に落ちました。

 アメリカでは本を返品できるらしい。(アメリカの年末は「返品ラッシュ」

 そっか〜、それであんなむちゃくちゃな客が来るのね。

 普段、わたしはビクトリア時代やら、黄金時代やら、過去が舞台のミステリばかり訳しているので(老人ホームものは、お年寄りたちがむかしを懐かしんでばかりなので、これまた古い)こういう現代もののコージーミステリを訳すと、いまのアメリカを知ることができて、とても新鮮です。わたしは、はやりものにとてもうとい人間なのですが、このシリーズを訳しているおかげで、アメリカから最近進出してきたブランド名を知っていて、妹や知人に「あなたが知ってるの!」と驚かれます。(失礼な)
 たとえば、前回、「読み方がわからん・・・・とにー・ひるふぁいがー?」と、ネットでわざわざ調べたトニーヒルフィガーは、本が出るのと前後して日本に上陸しましたし、サラが大もうけしたクリスピークリームドーナツも去年、日本に進出して、大人気らしいですし。

 きっといまいろいろ調べている3作目の商品名も、日本に上陸するんだろうな〜、どれがいちばん先かな〜、とちょっと楽しみです。

 さて、このシリーズは舞台がフォートローダーデールなのですが、サラとヘレンの食べ歩きシーンがよく出てきます。実在のお店が多いので、ネットでお店のHPを見ながら「おいしそ〜」とつぶやいたり。

 今回、いちばんおもしろそう、かつ、おいしそうに思えたのが、このお店でした。(Taverna Opa!)うーん。南フロリダ、熱いぜ。

 前述したとおり、現在、3作目を訳している最中です。2作目より暴れっぷりがワイルドになっているので、乞うご期待!