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お役立ち掲示板の過去ログ。持ち込みに関して。

ご協力者の皆さま、どうもありがとうございました。


 とある育児に関する本を、是非翻訳したいと考えています。あちらでは10年余に渡り、ベストセラーの本ですが、調べた限り日本語には翻訳されていないようです。
 先日、ある出版社が自己出版に関する新聞広告を出していたので、そこへ電話し、事情を話すと、『企画としては面白い。この本が日本語で出版されていないことの確認と、あちらの出版社と著者の了解が取れれば、話を進められると思う』との回答でした。エージェントを立てるのが普通だが、英語が堪能なら自分で交渉してみてはどうか?とも言われました。とはいえ、ビジネスのネゴシエーションを英語で行ったことはなく、また出版に関する知識がゼロなので、心もとなく、アメリカ人の友人に協力を依頼しました。この友人も出版業界の人間ではないため、現在あちらで、翻訳出版に関する手続き等について調査してくれているところです。
 こんな私でも、翻訳、出版にこぎつけることができるでしょうか?
 ここに来ている皆様はプロの翻訳家の方々だと思います。何かアドバイスいただけないでしょうか?
(質問者さま)


 持ち込みに関してですが、その自己出版の出版社での条件は、出版費用を全額出版社で負担してもらえるという条件でしょうか。
 それとも、自費出版や協力出版のような、訳者からの全額、半額持ち出しによるものでしょうか。
 おっしゃるくらいおもしろそうな企画であれば、育児書を出している出版社に持ち込んでみては、と思うのですが。
 わたしは版権交渉のことは、ほとんどわからないのですが、著者に直接「訳したい」と伝えてOKをもらっても、実は、日本のどこかですでに版権をとられている、ということもあるらしいのです。
(そりゃー、訳したい、と言ってくれる人には、著者だって嬉しいですから、OKと答えますよね。でも版権がどうなっているかは、著者も完璧には把握していないそうです。エージェントの仕事なので)
 とりあえず、まず費用が持ち出しかどうかは確かめておくべきだと思います。
 少しでもこちらから持ち出しであれば、わたしなら別の出版社に行きます。
 あちこちに持ち込みをして、断られ続けたら、最後の手段として自費出版を選びますが。

(中村有希)

 早速レスありがとうございます。費用の持ち出しがあるかどうかまで詳しい内容は、電話だったこともあり、話しませんでした。確かに、私の現在の状態では一部とはいえ自己負担のリスクを背負うわけにはいきません。持ち出しのない形で出版してもらえる出版社を探さなければなりませんね。また、おっしゃる通り、できれば、これまでにも育児書を手がけている出版社を探すのがベストだと私も思っています。
 ところで非常に基本的なことですが、ある本に関して、その版権が日本のどこかの出版社に渡っているかどうか、というのはどのように調査すればよいのでしょうか?やはりこういった仕事はエージェントを雇うべきなのでしょうか?企画を面白いと考えて、そういった手続きや費用を負担してくれたり、サポートしてくれる出版社はないものでしょうか?
 また、出来るなら、出版に関する交渉(アメリカの出版社、著者、日本の出版社全てと)が成立してから、翻訳作業を開始したいと思いますが、中村さんの書いていらっしゃる「持ち込み」は、翻訳原稿ではなく、「企画」として、『こういう本があります。これを翻訳するので、それを出版してもらいたいのです』というアプローチの仕方ができるのでしょうか?
(質問者さま)

 ある本の版権が日本のどこかの出版社に渡っているかどうかの調査ですが、以前、タトル・モリ・エージェンシーにそういう問い合わせをしたところ、個人への対応はしないことになっているとのことでした。日本ユニ・エージェンシーやイングリッシュ・エージェンシー(他にもある?)はどうなのかは知らないのですが。著作権エージェントに直接訊いてもだめだとなると、やはり出版社に持ち込みをするしかないのではないでしょうか。その出版社が興味を持てば当然翻訳権のことを調べてくれますし、別の社がとっていれば、どこの社かわかると思いますから、そこへ売り込みをかけるわけです(この場合はもう翻訳者が決まっている可能性が高いと思いますけど)。

(黒原敏行さま)


 私の場合はまず原著の出版社に問い合わせて、日本に版権が売れていないのを確認してから
日本の出版社に持ち込みました。
 著者に確認するよりは確実で、方法としてはいちばん手っ取り早いのではないかと思います。
 返事が来ないところもありましたが。

(杉本優さま)

お役立ち掲示板の過去ログ。スピードに関して。

ご協力者の皆さま、どうもありがとうございました。

こんにちは、いつも楽しくこのHPを拝見させていただいてます。
突然なのですが、翻訳家の方々は、一日に原稿用紙何枚分くらい訳してらっしゃるのでしょうか?
また、どのくらい訳せば、翻訳のスピードアップができるのでしょうか?
私は会社につとめながら翻訳の勉強をしているのですが、将来、二つの仕事を両立させるためにはどのくらいのスピードが要求されるのでしょうか?
教えてください。
(質問者さま)

そーれーはー。こ、個人差が。
わたしはゆっくりやっています。
がんばれば、もっとできるのかもしれませんが、集中力がもたないので、そうすると後半は荒くなってしまう。
まあ、一冊の本を四ヶ月くらいで訳せば、そう文句は言われないと思いますが。
てゆーか、わたし、〆きりのある仕事って、やったことがないんです。
原稿ができたら、おわったよーん、と持っていくだけ。

スピードは、仕事になった瞬間に、急激にアップします。
学校にかよっている間は、すっごく遅かったです。まあ、ほかの生徒さんたちも遅かったです。
だって、一週間とか二週間に一度しかない授業の課題、1ページたらずさえ、きちんと訳してこないんですよ。大勢。
いま思うと、当時の自分をぶん殴りたくなるほど、たるんでいましたねー。
仕事として一冊訳せば、スピードは格段にあがります。
なんなんでしょね。これは。
(中村有希)

文芸はスピードじゃないのです。
もちろん、翻訳学校の星とかになると、それで食えてるところを見せないといけないし、仕事もどんどん来ますから(もちろん、どんなものでもぜいたく言わずにやること)、1年に2千枚くらいやらないといけないと思いますが、そうでない人は仕事はたまにしか来ないし、締め切りなんてないに等しいのです。
私は1カ月で1冊やったことがありますが(それはたまたま急ぐものだった)、速いからと言って仕事が来るわけではありません。
ただ、前に書いたように、版権があるものには出版期限がありますし、原稿を入れてから新刊ラインナップに入れてもらえるまでに長い年月がかかるとすると、原稿を入れるのが遅ければ遅いだけ、出るのも遅くなります。
(事情通 さま)

 僕もプロになりたての頃はえらく遅かった。中村さんのおっしゃる通り、仕事をしていくうちに標準的な速さになりますね。語彙が増えていくとか、定訳をどんどん覚えていくとか、そういうことでしょう。翻訳学校で勉強をしている間は、課題をきっちり、力いっぱい訳して、先生に認められるようにするのが最優先ではないでしょうか。速ければいいってものじゃないのは、プロもそうですが、下訳の場合、とくに気をつけたほうがいいかもしれません。速さをアピールするより、上訳者に、おっ、これは殆どそのままイタダケルぜ、と思わせるのがベストかと。

 ところで、フルタイムのプロで、下訳を使わない場合、「標準的な速さ」とはどれくらいか? 作品にもよるわけですが、年平均3、4冊が普通とよく言われるから(僕もそれ)、2000枚から3000枚? 僕の場合、3か月で1100枚(訳者校正コミ)というのが一番速かったと思います。でも、ヒーヒー言いながらやったから、ずっとこのペースを続けるのは、僕には無理。
 問題は、年に4冊訳しても、いまは下手すると年収400万いかないかもしれないということ。この仕事を始めるとき、ベテラン編集者に、労多くして功少ない仕事だと言われました。それって、苦労するわりには誉めてもらえないってこと? と思いましたが、たぶん「収入少なし」の意味がメインだったのでしょう。そうそう誉めてもらえないのも本当だけど。
(某文芸翻訳者さま)

平均的な早さは、やっぱり年に3、4冊ときいていますが、わたしはそれより、もうちょい遅いです。
たまに、かたまってぼこぼこっと本になると「働いてるじゃなーい」と言われますが、違います。
偶然、いっぺんに本になっただけです。
だから、「もうかってるねー」とか言わないように。(to 友人一同)

労多くして功少ない仕事、は、これはもうおカネのことでしょう!
わたしは、ミステリの趣味サークルや、翻訳学校のミステリ翻訳仲間たちから、「あれ、おもしろかったよ」と、たまに言ってもらえるので、そういう意味での功は、もうじゅうぶんだ、と思っています。
むしろ、そういう意味での功が少ないのは、担当編集者さんだ、と思います。
わたしのぐちゃぐちゃな原稿を、あれだけちゃんと読めるようにしてくれているのに。
さらに功が少ないのは、校閲さんだ。

白状しましょう。

デビュー作の前半では、1ページに1日かかっていました。
そのうち、2ページできるようになり、3ページできるようになり、と、だんだん早くなって、最後のほうでは5、6ページ訳せていました。

しかし、これだけじゃありません。
もっと白状してしまうと、最初の1ページには3日かかりました。
これは、若い男性の一人称による文体がなかなか決まらなくて、何度も何度も書き直し、やっとこれならいけるかな、という出だしの形ができるのに、時間がかかったのです。
それでも、実際に校正をした時には、かなり手を入れて、またまたまた直しまくりました。

最初はこんなもんだったんです。
それでも一応、いまはなんとかなっています。
だから、「中村のようにどんくさいやつでも、プロになってんじゃん」と、安心してください。
本当に、スピードは実戦で、ぐんとあがります。
(中村有希)

こんなにたくさん回答していただけるとは思いませんでした。
皆さま、ほんとうにありがとうございます。
ところで、もうひとつ、質問させていただきたいことがあります。
それは「版権をとってから5年以内に翻訳書を出すこと」という原則についてです。
もし、版権が取られて5年以内に翻訳書が出なかった場合は、その版権はどうなるのでしょう?
他の出版社に譲られたりするのでしょうか?
それとも、版権の更新がされるのでしょうか?
(質問者さま)

とあるプロの方が、「1日のノルマ7ページ」と書かれているのを読んだことがあります。
原書のページ数だろうとおもいますが、こんなもんなんでしょうね。
某先生は「フルタイムでやれば一冊一週間でできる」とおっしゃってますが。
Hiro さま)

 訳す速度のことですけど、少し仕事に慣れた頃、やはり同じベテラン編集者から、ある時期ガガッーと速く大量に訳すことをしたほうがいいとも言われました。先日書いたこと矛盾するようですが、これも本当だと思うので、追加しておきます。とにかくフルマラソンを何度か走ってみると、何か壁をつきぬけたような感じがするんですね。
 薄い映画ノベライズ本を2週間で、なんて話はわりとあるようですが。某氏は人と話をしながらでも訳せると書いてらしたけど、あれも驚異です。僕は音楽を聴きながらというのすらだめ。
(某文芸翻訳者さま)

人は人。そう思わなきゃ、やってらんねー。
わたし、おそいですもん。
実際、一冊、一週間でかるーくやってしまう人を、わたしもふたり知っています。(極端に厚いとか、やたらリサーチに時間がかかるとか、文体が難解だとかいうのでなく、ま、平均的な本ということで)

ただ、この仕事は神経と眼にとても負担がかかります。
30代のわたしは、まだまだ若いと思っていたのですが、20代のころにくらべれば、相当、身体の部品が老化しています。
デビュー2年目で、神経をはりつめすぎたわたしは、拒食症寸前にまでおいこまれ、完治するのに、また2年かかりました。
そして、眼もむかしほど無理がきかなくなっているので、たまに酷使しすぎたあとは、冗談ごとでなく、「失明」の文字が頭をよぎってこわくなります。

保険のない自由業です。
マイペースで、あまり身体を追い詰めずに、健康第一で、そこそこ無理をしたら、ちょいと休む、くらいでやらないと、突然、ばったりきます。
(中村有希)

私は1日4時間以上は翻訳しないことにしています。
4時間でも、普通の小説なら5頁はできます。
だからといって、1日8時間やれば10頁行くかどうかは、やってみないとわかりません。

版権は、期限が切れると更新することもあれば、更新しないで、ほかの出版社が取ることもあります。
(事情通 さま)

お役立ち掲示板の過去ログ。レジュメに関して。

質問者さま、どうもありがとうございました。

私には将来(近い将来なのか、それともまだ時間がかかるのかわかりませんが)どうしても自分で翻訳出版したい本があります。
そのための方法としては出版社の方にレジュメを持参して、それを読んで頂くようお願いするしかないと思っています。
ただ、レジュメというものは、どんなふうに書くのが良いものなのか、それがわかりません。
一般的なレジュメの書き方(形式)はどんなものなのか、是非教えてください。
よろしくお願いします。
(質問者さま)

レジュメですが、基本的には、「あらすじ」「感想」を短くまとめて出します。
わたしはだいたい、あらすじが2000字以内、感想1000字以内です。(モノにもよりますが)「登場人物表」をつけると親切かも。
出版社に売り込むのであれば、ここにさらに「作者について」という項目を付け加えるとよいでしょう。
作者はこんな人で、ほかにこういう作品を書いていて、こんな賞にノミネートされたこともある、なんてあると、何もないよりは眼をひくはずです。
いまはネット時代なので、わりと簡単に調べられます。作者本人がホームページを作っていることもあるし。
何も資料がなければ、アマゾンで検索して高得点のレビューを参考にするとか、プリントアウトしておまけにつけるとか。
あらすじや感想についての注意点ですが、過度にほめすぎないこと。
もちろん、思い入れがあれば、自分がどれだけほれこんでいるかということをアピールするのはいいですが、自分でも、まあ及第点かなと思っている程度の本をベタ誉めするのはまずいです。
あとで「ええー? そんなにおもしろい本か?」と思われると損です。
(中村有希)


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お役立ち掲示板の過去ログ。通訳に関して。

質問者さま、どうもありがとうございました。

こんにちは。
私は初投稿の中学2年生の女の子です。
私は、将来通訳になりたいのですが、どうしたらなれるんですか?
英検も1級くらいまでとらないとなれなかったりするんですか?
私は、4級を受ける予定です。
今、通訳や翻訳家をやってる人いらしたら、どうやってこの道に進んだのか教えて下さい。(質問者様)

 通訳と翻訳はだいぶ違うので、勉強するうちに、自分がどちらに向いているのか、何をしたいのかを、考えていけばよいでしょう。
 通訳は英検1級が最低ラインだという話を聞きました。
また、日本の歴史、地理、社会、文化について、相当のことを勉強し、暗記しないと、いけないそうです。
 翻訳はとりあえず英語は高校卒業以上の力があればできますが、日本語の能力が相当、求められます。
 海外の文化、歴史、日本語、を勉強し、本をたくさん読むことが必要です。

どちらにしろ、学校で習うこと(特に、英語、国語、社会)が、大事な基礎になります。
それから、前にも書きましたが、翻訳というのは、一日中、机に向かって、「英文和訳」のようなことをしている仕事なので、受験勉強で一日、机に向かうことがどうしようもなく苦痛であれば、翻訳は辛い職業になるかもしれません。(中村有希)

 翻訳なら英和一筋でも仕事になるけど、通訳は両方向できないと仕事が限られちゃいますからねー。理路整然としてわかりやすい英語を話せる能力が必要です。
 でもそれよりも、通訳と翻訳って性格的な向き不向きがあるような気がします。
 通訳も翻訳も上手な万能選手もいないわけじゃないけど。
 通訳に向いてる人は、社交的で話し好きで会話が上手な、頭の回転が早い人。
 他人の話の要点をつかんでまとめるのがうまい人。
 そして議論になったときにはうまく調停役になれる人。
 日本語で苦手なことは英語でも得意にはならないですから、まずは日本語でこういう能力を磨く訓練をするといいのでは。
 それから、ぐずぐず悩まないさばけた性格の人の方がいいです、通訳は。
 細かい訳で悩まず、ぱっと口に出してさっさと忘れる。細かいことにこだわるタイプだとストレスたまります。
 一日中ひとりで部屋にこもって本を読みキーボードをたたくのがぜーんぜん苦にならず、ちょっとでもわからないことがあれば納得できるまで何時間でも辞書だの資料だのを調べてしまうというこだわり型隠者タイプの人は、翻訳者には最適な性格ですが通訳には向かないです。
でも勉強好きでないとつとまらないというのは翻訳・通訳どっちにも言えると思います。
どちらの場合も、新しい仕事にとりかかるたびに関連資料読んでがーっと一夜漬けみたいな勉強することになりますからねー。
知識欲旺盛で、いろいろ新しいことを学ぶのが楽しい、という人には理想的じゃないでしょうか。(優さま)

性格の適性はありますよね〜。
通訳をするのに、引きこもりタイプじゃ〜、困りますよね。
そういや、会議などで通訳をする人と、通訳ガイドって、別なんでしょうか。
両方する人もいるんでしょうけれど。
通訳ガイド専門なら、体力に自信がないとつらいかもしれませんね。あと、乗り物酔いしない人かな。ああ、方向音痴じゃないことも条件だろうか。(よく知らない)
(中村有希)


 通訳ガイド(通訳案内業)というのは、要するに観光ガイド・旅行添乗員の業務を、日本を訪れた外国人向けに外国語で行う人のことです。
 通訳ガイドになるには国家資格が必要です。
イギリスには「ブルーバッジガイド」という、専門教育を受けて公的機関に認証されたプロの観光ガイドがいますが、それと似たような資格で、それに語学がプラスされるという感じだと思います。

 普通ただ「通訳」というと、会議通訳とかテレビのニュースに出てくるような通訳のこと。
 こちらは日本の資格としては民間のものしかないと思います(会議通訳の国際資格というのがありますが、日本人の通訳でこれを持っている人は少ないでしょう)。
 だから極端なことを言えば誰でも「私は通訳です」といって通訳業を始めることができるわけですが(翻訳と同じだー)、それで仕事がどんどんくるかというとたぶんそんなことはないと思います。
 たいていは学校に通ったり民間の資格をとったりしてエージェンシーなどに登録し、仕事をもらうという形でプロ通訳への道をたどるのではないでしょうか(これも翻訳といっしょ)。
 仕事の内容は、工場見学のアテンドなどのインフォーマルな逐次通訳から、学会や政府レベルの国際会議の同時通訳まで、仕事の形態・内容、どちらをとってもものすごく幅があります。(優さま)

逐次通訳と同時通訳ってわかるかな。
知らない人のために説明すると、逐次通訳というのは話者と通訳が交代でしゃべる通訳方法です。
スピーチや講演なら、話者が切れのいいところでちょっと止まり、そこに通訳が入ってそれまでの話を訳すという形になります。(たまに調子が乗るととうとうとしゃべりつづける講演者がいたりして、通訳に入る隙を与えてくれず困ることもありますが。)
会議では話者が複数いるので、交通整理がけっこう大変になります。また、通訳が入らない場合に比べて2倍の時間がかかってしまうので、聞く人が飽きるのが難点。パッパッとメリハリよく訳して飽きさせない工夫が必要です。

国際会議など訳す言語が多いときや、ニュース番組など時間の制限がある場合は、同時通訳を使います。
この場合、通訳はヘッドフォンをつけて話者の話を聞きながら、それとほぼ同時進行で訳をつけていきます。といっても、欧州言語同士だとほぼ同時進行になりますが、日本語と英語だと語順がかなり違うので、タイムラグがやはり大きくなるし、訳し方にけっこうコツがいります。そしてなによりも、人の話を聞きながら同時に訳を考えてしゃべるというのはとにかく難しいです。すごい集中力が必要なので、ブースに2人ずつ入って、20分ぐらいで交代しながら通訳するのが普通です。一度お試しレッスンをやったことがありますが、訳をしゃべってる間も次の部分の話をしっかり聞いてないといけないので、頭が大混乱。あえなく挫折しました。(優さま)

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